（目次はこの後）
2023/5/17に『ウマ娘 プリティーダービー』を開発運営するCygamesの親会社であるサイバーエージェント社より訴訟を受けたと発表。
訴訟したのは大手ゲーム会社のコナミ。
なぜ訴訟を受けたのか。
『ウマ娘 プリティーダービー』とサイゲはどうなってしまうのか。
Cyber Agentの正式発表
（文字への書き起こしは画像の後）
▶訴訟内容の書き起こし
2023年5月17日
株式会社サイバーエージェント
（東証プライム市場 4751)
問合せ先: IR・SR室 室長 宮川 園子
連絡先: 03-5459-0227
当社連結子会社に対する訴訟の提起に関するお知らせ
当社の連結子会社である株式会社Cygames (以下、Cygames) が下記の通り訴訟の提起を受けましたので、お知らせいたします。
1. 訴訟の提起があった裁判所及び年月日
(1)裁判所 東京地方裁判所
(2)訴訟提起日 2023年3月31日
(3)訴訟到着日 2023年5月10日
2.訴訟を提訴した者の概要
名称 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
所在地 東京都中央区銀座1丁目11番1号
代表者役職 氏名 代表取締役社長 早川 英樹
3. 訴訟内容
(1)訴えの内容
Cygamesが提供しているゲーム「ウマ娘プリティーダービー」の特許権侵害に基づく損害賠償請求」 およびそれらの生産、使用、 電気通信回線を通じた提供等の差止請求等
(2) 訴訟の目的の価額
損害賠償等請求 40億円及び遅延損害金
請求の対象ゲーム 『ウマ娘プリティーダービー』
4. 訴訟の原因及び提起されるに至った経緯
Cygamesは、株式会社コナミデジタルエンタテインメント(以下、コナミデジタルエンタテインメント) とCygamesが提供する「ウマ娘プリティーダービー」のゲームシステムおよびプログラムの一部について、特許権等の協議を行ってまいりましたが、Cygamesの見解がコナミデジタルエンタテインメントに受け入れられるには及ばず訴訟の提起に至ったものです。
5.提起された連結子会社の概要
名称 株式会社Cygames
所在地 東京都渋谷区南平台町16番17号
代表者・氏名 代表取締役社長 渡邊 耕一
資本金 124,800,000円
事業内容 ゲームの企画・開発・運営 アニメーション製作、投資支援等
6. 今後の見通し
当社は、Cygamesが提供する「ウマ娘 プリティーダービー」がコナミデジタルエンタテインメントの特許を 侵害している事実は無いものと考えており、その正当性を本件訴訟にかかる手続きの中で明らかにしてまいります。
なお、本件が当社グループの業績に与える影響を現時点で見通すことは困難であり、 今後開示すべき事項が発生し た場合には速やかに開示いたします。
以上
▶コナミの持つ特許
コナミが現在持ってる特許は〔デッキシステム〕
（パワプロシステムではない）
〔コナミ〕の特許:
選択したサポートキャラのイベントが発生
〔ウマ娘〕の仕様:
ゲーム中全てのサポートカードのイベントが発生。
選択したサポートカードのイベントは発生率が上昇する。
特許と丸かぶりではないので、裁判は長引く可能性大。
コナミの要求
40億円及び遅延損害金
遅延損害金はどの時点からどの時点までを対象になるか不明。
今後の訴訟や裁判の進捗で大きく変わるだろう。
４０億円の根拠は示されていない。
参考として、データ分析サービスなどを提供するSensor Towerより、『ウマ娘 プリティーダービー』の世界累計収益が2023年3月に発表されている。
約2650億円突破だそうだ。
サイゲームスが具体的に何を特許侵害しているか不明。
だが、提訴時点で10％も取らないということは『ウマ娘』にとってそれほど重大な要素ではないのだろうか。
（育成シナリオなどはゲームの根幹だと思うが、そういうところとは違う？）
なぜ訴訟にまでなったか？ 訴訟は妥当なのか？
▶訴訟はいつでも起こり得た
そもそもの話、『ウマ娘』はサービス開始時から、
「パワプロのパクリ」
と、いう声が大きかった。
『ウマ娘』は育成シナリオというゲームシステムが半年ごとに変わる。
この育成シナリオはゲームの根幹であり、プレイヤーが非常に関心を持つ部分の一つである。
そして、次のシーズンの育成シナリオは何かを予想する際、『パワプロ』で既に実装されている育成シナリオから予測するのが当たり前になっていた。
そして実際、新育成シナリオが実装される度、
「これパワプロの✕✕✕じゃん」
といった内容のコメントが見られることは、ほとんど様式美。
サイゲームス自体パクリ気質だ。
同社が運営する『グランブルーファンタジー』などのゲームでは、数多くのパクリが存在する。
（↓参考記事↓）
今回の訴訟対象はどうなのか。
国は特許をどこまで重要視しているのか。
AIによる画像学習が問題視もされている昨今である。
日本を代表する二大ゲーム会社の訴訟の行く末は、今後の日本の権利問題の方向性を決めるかもしれない。
▶サイゲームスが喧嘩を売った？
「特許切れ部分のパワプロシステムをサイゲ―ムスが特許申請した。だから、怒ったコナミが残ってる特許を使って逆襲に出た」
ネットではこのような見方もある様子。
（リンク先はサイゲームスの出した特許出願。
内容は『情報処理プログラム、情報処理方法、ゲーム装置および情報処理システム』）
https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7198902
サイゲームスの見解
株式会社Cygames（以下サイゲームス、本社：東京都渋谷区、代表取締役社長：渡邊耕一）は、株式会社コナミデジタルエンタテインメント（以下コナミデジタルエンタテインメント、本社：東京都中央区、代表取締役社長：早川英樹）から2023年3月31日付で特許権侵害に関する訴訟の提起を受けました。
当社は、コナミデジタルエンタテインメントと『ウマ娘 プリティーダービー』のゲームシステムおよびプログラムの一部について、特許権等の協議を誠意をもって行ってまいりました。しかし、当社の見解がコナミデジタルエンタテインメントに受け入れられることはなく、訴訟を提起される形となりました。
当社としては『ウマ娘 プリティーダービー』がコナミデジタルエンタテインメントの特許権を侵害している事実はないと考えており、その正当性を本件訴訟にかかる手続きの中で明らかにしてまいります。
お客さまならびに関係者のみなさまにはご心配・ご迷惑をおかけしますが、『ウマ娘 プリティーダービー』は今後も変わらずサービスを提供してまいります。
訴訟は今後どうなる？ ウマ娘はサービス終了？
この問題はとても長くなると予想。
ゲーム会社の訴訟問題と言えば、少し種類は違うが、『任天堂』のマリカー・ゴーカート問題が思い起こされる。
『任天堂』という金と人材を確保できる大企業で、あれほどあからさまなパクリであったにも関わらず、勝訴まで４年かかった。
今回の２つの会社はどちらも大企業。
財力は十分で優秀な弁護士を雇える。
長期裁判に耐えうるスタミナがどっちもある。
では折の良いところで手打ちになるだろうか。
それなら今年中に終わるかもしれない。
だが、それは難しいだろう。
サイゲームスは今回訴訟対象になった『ウマ娘』以外にもパクリを散々している。
『グランブルーファンタジー』は名作『ファイナルファンタジー』をロゴから何からパクってる。
FF以外でも何か有名なアニメやゲームが出ると、それらの何かしらをパクったキャラを出す。
『ウマ娘』だって当初から「パワプロのパクリ」と言われ続けていたのだ。
端的に言えば……
サイゲームスはふてぶてしい。
一方でコナミも訴訟ヤクザなどと不名誉なあだ名を呼ぶ人間がいる。
自社の人気ゲームをことごとく潰し、人気作『メタルギアソリッド』では監督の小島氏を追い出した。
あまり誠実で温厚な印象はない。
今回の訴訟にしても、サイバーエージェントの発表では、
『特許権等の協議を行ってまいりましたが、Cygamesの見解がコナミデジタルエンタテインメントに受け入れられるには及ばず訴訟の提起に至った』
とある。
つまり、彼らだけの交渉は既に決裂している。
訴訟は和解も多い。
ただ、今回の経緯を見ていると和解解決はイメージしづらい。
少なくとも今年中には終わらないだろう。
逆に言えば、結論が今年中に出なければ『ウマ娘』が今年中にサービス終了となることもない。
ただ、当該ゲームはグラフィック以外のゲーム性はストレスMAXで売上は年々下がっている様子。
裁判所の命令より早く自主的にサービスを停止することになるかもしれない。
（2023/05/17 記）
※記事は進展があり次第更新します。
※この記事は個人の感想、意見、所感です。情報の正確性を保証致しかねないこと予めご了承下さい。
