<初めに>
Youtubeで旅動画を見てる時、投稿者がダブルブッキングになり急遽別の宿を探さなければならなくなったのを見ました。
それを見て、普段の記事とテーマは違うのですが、参考になるかと思い、ネットの予約システムがどういう仕組みなのかを記事にしてみます。
<予約システムは統合されてない>
予約システムを皆さんはどのように考えていらっしゃるでしょう。
私は入社するまで、すべての予約はシステムで管理されていると思っていました。
ダブルブッキングも、電話受付とシステム間で起こるものだと思っていました。
実は違います。すべての予約が管理されているかは宿次第であり、仮にネット予約しか受け付けてないところでもダブルブッキングの可能性はあります。
簡単に結論を言うと、
システムだけど、自動でなくて手動だからです。
ブッキングドットコムや楽天トラベルなどの予約サービスは独自の予約管理システムをホテルや旅館などの宿泊施設(以後総じて「宿」と呼称します。)に提供しています。
(他社のことはわかりませんが、たぶんみんなそう)
”宿”は提供できる部屋数を予約管理システムに登録します。
10部屋あったら10ですね。
予約が1件入れば1部屋予約/10部屋中となり、残り9部屋まだ予約できるということになります。
これは自社サイト経由の予約しかシステムに反映できません。
言われてみればそうかと思われると思います。
A社とかB社とか言うとわかりにくいのかと思うので以後は書きやすいという理由だけで「じゃらん」と「楽天」を例に説明したいと思います。
例えば、宿が10部屋提供できるとして、
【総部屋数:10】
●宿自身のサイト/帳簿:5部屋
●じゃらん:3部屋
●楽天:2部屋
のように、完全に分けられていれば予約サイト間で部屋の取り合いがなくなるので、ダブルブッキングはまずなくなると思います。
ただし、このやり方だと宿側の機会損失の可能性が高まります。
例えば、楽天用の部屋が2部屋埋まってしまった場合、楽天上では満室扱いですね。
そして、楽天以外から予約がなかった場合、実際は8部屋余っていることになります。
しかし、実際の部屋は余っているのに楽天から予約しようとしたお客さんはシステム上満室で予約できないことになります。
他のサイトなら予約できることは、お客さんが調べてみないとわかりません。
普通は「あっこの宿はもう満室なんだ。」とあきらめてしまうと思います。
このように、予約が入るはずだったのを逃してしまう可能性は高いです。
宿は、できるだけ部屋を埋めたいので、きれいにわけることはなく基本的に全部屋を登録します。
↓↓↓↓
【総部屋数:10】
●宿自身のサイト/帳簿:10部屋
●じゃらん:10部屋
●楽天:10部屋
(※30部屋あるわけではありません。)
例えばじゃらんに予約が1件入ったとします。
他のサイトにはじゃらん分の予約は反映されません。
↓↓↓↓
【総部屋数:10】
●宿自身のサイト/帳簿:10部屋
●じゃらん:9部屋
●楽天:10部屋
なので、宿自身のサイトまたは帳簿と楽天上では10部屋空いていることになります。
(実際はじゃらんに1件入ってるので、空き室は9部屋)
なので、宿側はじゃらんでの予約を確認(メールやFAXなどの通知)後、手動で、それぞれの部屋数を調整することになります。
↓↓↓↓
【総部屋数:10】
●宿自身のサイト/帳簿:9部屋(手動)
●じゃらん:9部屋
●楽天:9部屋(手動)
部屋に余裕がある時は問題ありません。
しかし、残り部屋数が1部屋とか少ない時に、ほぼ同時に予約が入り、手動操作が間に合わないとダブルブッキングが発生します。
<予約システムを統合するサービスはあるが…>
このような問題を避けるため、予約サイト運営会社とは関係のない第三社が予約システムを統合するサービスを提供しています。
仕組みとしては下図のような感じ
ただし、以下のような問題点があります。
- 有料なので小規模な宿は導入できない
- 全てのサイトに対応できるとは限らない。
- タイムラグまたはバグで結局ダブルブッキングが起きる。
特にバグは結構あります。
ダブルブッキングに限らず、何かしらの支障の発生は頻繁じゃないけど、珍しくはありませんでした。
ダブルブッキングの発生は常に考えておいた方がいいです。
<ダブルブッキングが発生したらどうする?>
私は法務部ではありませんでしたし、当然他社のことはわかりませんので、あくまで参考程度に読んでください。
ダブルブッキングが発生した場合、宿側の過失なので宿が他の宿を探して予約者に提案しなければならない……はずです。
提案に関しても、元の予約と同額程度の部屋である必要があります。
元の宿代よりも高くなる場合、差額を宿が負担しなければなりません。
すみません、ここのところが法律上の義務なのか、または規約上どうなのか忘れました;;
私が勤めていた会社の規約では宿が代替案を探す義務があったと思います。
けど宿泊直前じゃないとだめだったかも…
少なくとも飛行機との組み合わせの場合は確実に上記の措置が取られることを覚えています。
ただ、私の記憶が正しかったとしても、法律や規約は変わることがあります。
自分が予約したサイトの規約をよく読むことを推奨します。
<ダブルブッキングを回避するには?>
とは言っても、特にシーズン中などは、宿に任せたからと言って、他の部屋がとれるとは限りません。
(私が担当していた時は最終的に部屋を見つけられなかったことはありませんでしたが……確実ではありません。)
最終的に平謝りされるだけで終わる危険もあります。
せっかくの旅行は何事もなく楽しみたいかと思います。
仕事でも余計なトラブルは回避したいでしょう。
対策として以下が考えられます。
- キャンセル料無料の宿で別に部屋を予約しておく。
- 宿泊の数日前にダブルブッキングがないか宿に確認。
- 問題がなさそうであれば、キープしてある別予約をキャンセル。
これは私が実際にやっていることです。
ただ、これは宿にとって非常に迷惑です。
とは言っても、宿側にとってその予約がキープしてあるだけかどうかなんてわからないので、これに関してはあなた個人の見解に任せる感じです。
少なくとも、規約上の問題はありません。
<最後に>
ダブルブッキングはいつでも発生する可能性があります。
シーズンオフだったとしても、大規模工事があって大量の作業員が周辺の宿を長期間占拠するというケースもあります。
宿のスタッフが忙しくて見逃してたことなんてあります。
システムのバグなんて珍しくありません。
予約サイト運営側にはダブルブッキングの有無なんてわかるはずがないので、宿がしっかり管理できてないと普通に発生します。
なので、「自分に起こることはない。」など根拠のない考えは持つべきではありません。
他の宿をキープするなど、しっかりと対策を考えておきましょう。
以上です。
ありがとうございました。
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