配達員にとっての理想は「配達依頼が継続してくる。」ことです。
(配達先がわかりやすいとか細かい点は省略します。)
アプリをオンにしたら早速配達依頼が来て、配達が完了したらまたすぐ次の配達が来る。
これが理想だと思います。
Uberの理想は売上アップです。
その条件の一つとして、配達がスムーズに行われることが挙げられます。
配達がスムーズであればあるほど利用者の満足度は高まり、逆に配達をお願いしてもいつまで経っても運ばれないようでは使いたいと思わなくなるでしょう。
では、このUberにとっての理想、つまり「配達がスムーズに行われる」とはどういう状況か考えてみてください……
……常に配達員が配備されている状態ではないですか?
そしてその状態とは配達員にとって最悪の状況ではないですか?
Uberにとっても配達員にとっても理想的な状況は、常に配達依頼と配達員の数が同数であることです。
例えば100人の配達員がいたら100件の配達依頼が来る。
配達完了したら、すぐさま新しい配達依頼が来る。
このような状態であれば、待たされるお客さんはいませんし、待たされる配達員もいません。
まさに理想。
ただ、これはまず実現不可能ですよね?
したがって、Uberは常にスムーズに配達が行われるために、常に配達員が誰かしらいるように配達員をどんどん増やします。
前述のような配達員と依頼数を同数に保つことは不可能です。
そのため、配達員の過剰状態がUberにとっての理想であり、この理想のためにUberはいろいろと手を打つわけです。
一方、配達員にとって配達員の過剰稼働は稼ぎを減らすだけです。
配達員を動員するためのインセンティブやプロモーションは必要なくなるので報酬のアップはなくなります。
また、配達依頼自体中々来なくなります。
しかし、配達員はUberのシステムに一切関与することができません。
つまり、両者の落としどころはなく、Uberの理想だけが追求されていく形になります。
これは予想ではなく今現実に起きていることです。
現時点では、インセンティブやプロモーションはあります。
ですので、まだスムーズな配達と言う点での「Uberの理想」は達成されていないのでしょう。
しかし、私がこれまでの記事で何度か述べているように、それらは減少傾向にあります。
将来的に、理想達成の際には、一切なくなっているでしょう。
本来、会社に勤めていれば、会社の理想追及、すなわち利益追求は会社員の給料に多かれ少なかれ反映されます。
つまり、会社も会社員も利益面で言えば、その理想の方向性は100%合致しないまでもほぼ同じです。
しかし、Uberと配達員の場合は真逆です。
Uberが理想を追い求めれば追い求めたところで、それは配達員個人の報酬アップにはつながりません。
むしろ減少です。
Uberが開始された当初は、配達しなくても一定額の報酬が保証されていたり、報酬は2倍近いときもあったようです。
また、携帯バッテリーやスマホケースの貸与もあったそうです。
私がUberを始めた2017年10月時点では上記は全てありません。
もし、あなたが「Uberは儲かる!」「好きな時に好きな仕事をして稼げる!」という文句に惹かれているのであれば、まずその情報元であるブログなどが書かれた日をよくチェックしてください。
加えて、大抵そういうブログは配達員の紹介料目当てで良いこと書いてます。
けど、実際は前回のブログでグラフを載せたように減少傾向です。
本来、会社員というのは事業主に金で雇われているだけで、事業主に対しては無力に近いです。
事業主の考え次第で会社員はどうとでもなります。
実際の社会では労働基準法などがあって、会社が倒産したり、不当な労働や解雇に対して会社員は法律的に何か手を打てるようになっています。
(それですら無視されて事業主またはそれに近い幹部社員に会社員は酷使されてきた。つまりブラック企業というものは現実にあり、それは日本人の皆様であればよくご存じかと思います。)
Uberの配達員には何もありません。完全弱者です。
Uberの采配に何も関与できずただ掌の上でコロコロ転がされるだけです。
そして、Uberが成長すれば成長するほど配達員の状況は悪くなります。
UberEATSを本業にしているような人は私がUberを知った雑誌や、TWITTERで見受けられますが、はっきり言って彼らにはどういう見込みがあるのか私には理解ができません。
少なくとも、今Uberを本業にしようと考えている方がいましたら、よ~く将来性を考えてください。
また、Uberに限らず何か新しいことをする際は、その状況と将来性をよくよく考えることをおすすめします。
以上です。
ありがとうございました。